NDPについて NDP (National Demonstration Project on TQM for Health=「医療のTQM実証プロジェクト」)
病院と品質管理専門家の緊密な協力により、病院医療において患者本位の質を確立し継続的に向上させるための
質保証システムと組織的質管理のありか たのモデルを構築することをめざすボランティア・プロジェクトです。
プロジェクトについて
◆「NDP」の意味とプロジェクトの目的
NDP (National Demonstration Project on TQM for Health=「医療のTQM実証プロジェクト」)
は、病院と品質管理専門家の緊密な協力により、病院医療において患者
本位の質を確立し継続的に向上させるための質保証システムと組織的質管理のありかたのモデルを構築することをめざすボランティア・プロジェクトです。「NDP」とい
う呼称は、マサチューセッツ総合病院やブリガム&ウイメンズ病院、ミシガン大学医療センター、カイザーなど米国の有力病院21機関がAT&Tやゼロックス、ヒューレット
パッカードなど有力企業の品質管理専門家の協力の下、品質管理の考え方と手法を医療サービスの質の向上にはじめて適用しようと試みた時に、この意欲的で革新的なプ
ロジェクトをNational
Demonstration Project(略称NDP)と呼んだことにちなんでいます。米国ではNDPを契機にして医療の質に対する考え方が大きな転換を遂げ、改
善(CQI:
Continuous Quality Improvement)や総合的質管理(TQM:
Total QualityManagement)の理念や方法論が医療界に次第に浸透し、やがて全米から欧州へ、そし
て世界の医療界へと広がってゆきました。
1999年から毎年開催されている全国フォーラム「医療の改善活動」の発表でも明らかなように、「改善」の考え方は日本の医療界でもすでにその威力を十分に発揮してお
り、本家だけあって欧米に勝るとも劣らない優れた活動が数多く見られます。しかしこれまではQCサークル活動が中心で、臨床的な質の改善の取組みがまだ比較的少な
く、トップのリーダーシップのもとで部門や職種を越えて質の確保と改善をめざす全病院的な取組み(総合的質管理=以下TQMと略します)は参考となるモデルが未確立
です。NDPは、そのようなモデルを目に見える形で示すことを目的にしています。
◆
NDPの取組み
NDP Phase-1(平成12年度:厚生科学研究「医療の総合的質管理に関する実証的研究」:主任研究者飯塚悦功)は、6つの有志病院がそれぞれ2人の品質管理専門家と
ペアを組み、病院の質経営や医療業務上の課題に対するTQMの考え方や方法論の適用可能性について実地に検証しました。 その結果を踏まえ、NDP
Phase-2(平成13−
15年度:厚労科学研究「医療提供システムの総合的質管理手法に関する研究」:主任研究者上原鳴夫)では、医療事故防止等における有効性を実証しながらTQMを段階的
に導入・推進することを目指しています。 具体的には、(1)「医療の質安全向上のための病院共同改善プロジェクト」を通じて「質・安全」と「システム」の考え方
を学び改善の文化と技法を組織に浸透させる、(2)「患者さんによる医療評価調査」を通じて、「患者本位の質」のあり方を学び患者本位の質を設計する、(3)
「TQMの導入支援」を通じて、医療の質保証システムと組織的な質・安全管理の能力および組織運営体制を構築、します。
◆NDPの 活動のマスコミでの紹介
日経メディカル 2004年6月号 特集「ミスを呼ぶ言い方・書き方」
NDPプロジェクトについて
「医療の質安全向上のための病院共同改善プロジェクト(第一次)」
「医療の質安全向上のための病院共同改善プロジェクト(第二次)」
および「患者さんによる医療の評価」を行なっています。下記に詳細を掲示します。
◆ 「医療の質・安全向上のための病院共同改善プロジェクト(第一次)」
(1)
医療技術と質管理技術の融合で「医療の安全管理」の方法論と教育モジュールをつくる、(2)病院内に質・安全に関するエキスパート(Qエキスパート/改善アドバイザー)を育成する、(3)具体的なテーマごとに病院グループを形成し、相互に学びあい協力しながら医療安全にかかる問題を実際にかつ抜本的に解決する、というものです。 平成14年度(第一次改善プロジェクト)は「危険薬等の誤投与の防止」と「インスリン治療の安全管理」をテーマとして取り組んでいます。
(*ここに各病院の活動報告をあとで追加します。)
◆
「医療の質安全向上のための病院共同改善プロジェクト(第二次)」
第二次改善プロジェクトは「臨床研修の安全管理(研修医が行う侵襲的処置の危険・危機管理等)」と「転倒転落の防止」について実施計画案を作成中です。
◆ 「患者さんによる医療の評価(ピッカー研究所方式による統一患者調査)」
ピッカー研究所方式統一患者調査は、患者さんの視点が医療に適切に取り入れられているかを七つの評価尺度(@患者の価値観、意向、ニーズの尊重、Aケアの連携と統合、B情報、コミュニケーション、および患者教育、C身体の苦痛の解消、D心情的支援と恐怖、不安の緩和、E家族と友人の関与、F転院、退院とケアの継続性)を使って評価し、ベンチマークが可能なため欧米で広く活用されている調査法です。日本の病院でも広く活用され患者本位の質の設計と改善に役立てられるよう、日本の医療システムに適合した標準化の作業を進めています。
Phase 1(平成12年度:厚生科学研究「医療の総合的質管理に関する実証的研究」:主任研究者 飯塚悦功)
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Phase 2(平成13−15年度:厚労科学研究「医療提供システムの総合的質管理手法に関する研究」:主任研究者 上原鳴夫)
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Phase 3(平成16年度 :厚生労働科学研究(医療技術評価総合研究事業)「医療安全のための教材と教育方法の開発に関する研究」:主任研究者 上原鳴夫) |
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