「ヒヤリハット事例の分析から改善へ」のご案内
近年の医療事故の多発は日本の医療界全体にとって急務の課題となっています。一見職員の「単純ミス」のように見えるものでも,実は医療提供システムのありかたに起因することが多く、「非難」にとどまるのではなくこれを改善の好機と捉えてプロセスとシステム設計を改善しなければ問題は繰り返されます。ヒヤリハット事例はたくさん集まるようになりましたが、具体的な「改善」につながらないために、いまなお「反省と非難」に終わっているところが少なくありません。
「医療提供システムの総合的質管理手法に関する研究」研究班(厚生労働省科学研究費補助金事業。NDP=”National
demonnstration
Project”と略称しています)では、有力企業で品質管理・安全管理を担当している専門家(品質安全管理アドバイザー)の支援のもと、10のモデル病院が互いに協力して、病院の中に質・安全の考え方と手法を普及させる改善アドバイザー(Qエキスパート)を養成し、Qエキスパートが中心になって投薬事故防止のための改善プロジェクトを推進しています。
ヒヤリハットや事故の事例を改善に結びつける手順と方法を学びたいとする要望が多数寄せられているため、研究成果を広く提供することで医療安全の取り組みの推進普及に役立てたいと考え、医療技術評価総合研究推進事業/研究成果等普及啓発事業(厚生労働省・救急医療財団)の助成を得て本セミナーを企画しました。
セミナーでは、NDP参加病院のQエキスパートとNDPアドバイザー(品質安全管理アドバイザー)が講義と実習指導に当たります。できるだけ多くの病院に機会を提供するために1日目は講義形式としますが、2日目はパソコンやカードを使ったグループ実習を行うため人数を最大50名に限らせていただきます。
病院で医療の安全確保に取り組んでいる多くの方々にご参加いただき、「反省と非難」から「改善」へと進むきっかけにしていただければ、と願っています。
NDP実行委員会
<講師及び実習指導>
三宅 祥三 (武蔵野赤十字病院・院長)
河野 龍太郎(東京電力技術開発研究所・主管研究員)
上原 鳴夫 (東北大学医学系研究科・教授)
大藤 正 (玉川大学工学部・助教授)
高橋 英夫 (名古屋大学医学系研究科・助教授)
福丸 典芳 (NTT-MEコンサルティング・取締役)
菅野 一男 (武蔵野赤十字病院・内科部長)
井上 則雄 ((株)竹中工務店・監理室)
跡部 治 (佐久総合病院・薬剤部長)
杉山 哲朗 (中部品質管理協会・専務理事)
杉山 良子 (武蔵野赤十字病院・看護師長)
下山田 薫 (コマツスタッフアンドブレーン・特別顧問)
我妻 恭行 (東北大学付属病院・薬品管理室長)
片山 清志 (日本科学技術研修所・数理部部長)
庄子 由美 (東北大学付属病院・看護師長/GRM)
大川 禎子 (国立仙台病院・看護師長/GRM)
申込み方法:別紙(NDP公開セミナー申込書)に必要事項をご記入の上、お申込み願います。 ※すでに終了しております。
*本セミナーは医療技術評価総合研究推進事業/研究成果等普及啓発事業の助成を受けています。
「ヒヤリハット事例の分析から改善へ」(2002年9月21日)
主 催:NDP実行委員会
日 時:2002年9月21日(土)9:00〜17:00 【受付】8:00〜
会 場:亜細亜大学7号館7100番教室(JR中央線武蔵境駅下車)
(住所:東京都武蔵野市境5-24-10)
定 員:200名
受講料:無料:*当日、受付にて資料代のみ(2,000円)お支払いください。
<講義内容>
1.「信頼される医療を目指して−今何をなすべきか」
2.「安全戦争に負けないために―ヒューマンファクターズと安全管理の基本的な考え方」
3.「プロセス管理と問題解決の基本的な考え方」
4.「標準化の考え方と事例−危険薬の誤投与防止について」
5.「対策立案の方法」
エラー対応策の原理、危険予知とリスク因子分析、エラープルーフの考え方と事例
6.「事例分析から改善へ−事例要因解析(RCA)の進め方とNDP七つ道具」
7.「事例要因解析の手順と方法」
プロセスフロー図&事象関連図の作り方、WHY-WHY分析とmSHEL,4M4E,特性要因図の使い方
現状把握と問題解決のためのデータ調査、系統図法とマトリクス図法の使い方
「ヒヤリハット事例の分析から改善へ−事例分析手法の実習」(2002年9月22日)
主 催:NDP実行委員会
日 時:2002年9月22日(日)9:00〜17:00 【受付】8:00〜
会 場:武蔵野赤十字病院 山崎記念講堂(JR中央線武蔵境駅下車)
(住所:東京都武蔵野市境南町1-26-1)
定 員:50名(21日セミナーの受講者に限ります。先着順としますが、
定員超過の場合は1病院2名までに限らせていただきますの
で、予めご了解ください。)
受講料:無料:*当日、受付にて資料代のみ(1,000円)お支払いください。
<実習内容>
*グループに分かれて実習を行います。
(パソコンをご持参ください。)
1.CLIPを使った事象関連図の作り方と使い方
2.連関図法と系統図法の使い方
3.特性要因図の作り方と使い方
4.スタットワークスを使った層別の実習 |